再解説、動物の「魂」はどうなっているのか？（生物学的な可能性）７

《生物学的な可能性》

ここまで「動物の魂」を「人の魂」と比較した時に、

「種」としての人が持つ「知性」そして「言葉や文字」

により持たらせる「認識力」や「記憶力」は他の生き

物の追随を許さない程優れており、あらゆる「宗教」

の存在からも生き物で唯一「神」の存在を認識出来る、

「神」によって創られた「特別な種」である。

その様に人々は長く信じてきました。ですが近年著し

く進歩した「遺伝子工学」の「ヒトゲノム解析技術」

に成果おいて、当初は「10万以上」有ると思われた

「人の遺伝子数」は、その大半が「意味」を成してお

らず、最新の「推定値」として「約３万個前後」とい

う数値が発表されました。これが何を意味しているの

か？というと「他の生物」と比較した時に、非常に

複雑な「身体」や「脳」の構造の情報が、実はこれ程

「少ない遺伝子」により構築されている。という事実

を示唆しており、この事実は他の研究者達に大きな

衝撃を与えたのです。

つまり「生物学」における「種としての人間」は

《決して「特別に複雑」という程ではなかったのです》

そうです、既に「遺伝子工学」においては「人間」は

「特別」ではなくなっているのです。

ここからは「生物学」による見地から、これ迄と真逆

の意見をピックアップして、人と他の生き物を比較検

討していきたいと思います。

「人」の「遺伝子数」の「推定値」が「約３万個」と

いう事実は「生物学」に衝撃を持たらしました。それ

も言わば当然ということで、現在では「他の生物の遺

伝子数」に関しても解析が進み、生物間での比較が行

われているのですが、そこで一つの「仮定」として、

《「進化」を重ねた「生物」程に「遺伝子」も「洗練」

されて「最小化」されているのでは？》

という説があります。何故なら人の遺伝子と「チンパ

ンジー」のＤＮＡの違いは僅かに「1.3％」に過ぎま

せん。「イネ科植物＝イネ、トウモロコシ等」の遺伝

子は人よりもずっと多いのです。更に小型生物である

「ウニの遺伝子」の数が人とほとんど同じ上に、その

「70％が人と共通」しているのてす。ちなみに「ウニ」

は２００年近く生きる「長寿生物」なのです。そして

結局、現在最も多くの「遺伝子数」を持つ生物とは

「ミジンコ」だったのです。

これらの事実により、高度に進化した生物程「遺伝子

数的」に「他の生物」より精巧に出来ていて優位であ

る。という「仮説」は間違いであるということが確定

的になったのです。そして事実は逆で「細胞分裂時」

の「遺伝子のプリントミス」のリスクを回避する為に、

「遺伝子」は「洗練」を重ねる。という説が現在では

有力になっています。これらの事実は、この10年に満

たない「最近の発見」なのです。

《全ての「科学」や「学問」は「知らないと知った」
ところから始まる。》

と言われますが、「遺伝子工学」の世界では「人」は

それ程特別ではなく。同時に「他の生物」にも大きな

可能性がもたらされていた、というのが本当のところ

のようなのです。

「皆さんは、どう思われますか？」

いかがでしょうか？つまり生物は「遺伝子のプリント

ミス」のリスクを避ける為に「洗練化」されるという

事実。これは生命維持にとって必須と言える細胞分裂、

古い細胞を破棄して、新しい細胞を作る。その際に

DNAの塩基配列の対になるコピーをRNAに写し取って

そして新たにDNAを再生するメカニズムの上で必ず

数百数千回のうち何回かは「コピーミス」が起こる訳

でして、これがDNA自体の不良も合わせて機能不全な

細胞、すなわち「癌細胞」なのです。これは毎日六千

個にのぼると言われています。それでも免疫力が強け

れば直ぐに排除されるのですが、歳を取るとそれもま

まならなくなる。そして「癌細胞対策」はあらゆる生

命に共通した課題であって、その答えとして生き残っ

てきた生命は「プリントミス」を防ぐ為に「最小限に

洗練させた」という、非常に「超合理的な選択」をし

たという事実が分かったのです。凄いですよね！

更に、続けていきましょう！！

「氣塾」代表 木村丈彦