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《腎は納気を主る》
「納気＝吸気」において「古式マスターヨーガ」「内丹法」
共に、「最大限」に「空気」を取り込み「肺」を膨らませ、
「胸を持ち上げる」為に「横隔膜を上げる」動作を用いま
すが、この行動だけでも「医学的」には「交換中枢神経」
を刺激する作用があり「交換神経」の働きを高めます。
また、大量に摂取する「酸素」は、身体の「新陳代謝」を
活発化させてくれるのです。
更に「中医学」においては「納気」は、ことさらに重要な
役割りを担っています。古来より中医においては
《「腎」は「納気」を主る》と言われます。実は「腎」は
「吸気」に深く関与しており、「肺」に「吸気」により得
られた「清気」は「腎納気」の作用により「肺」から「腎」
へと「粛降作用」により降りて来ます。
《難経三十六難》には
｢両腎は皆腎に非ざる也。其の左は腎と為し右は命門と為す｣
とされており、「命門」とは右の腎をさし「命門と肺」の
「吸気」には関係が深くあり、「腎」が虚せば肺の「吸気」
を助けることが出来ない為、
《「呼気」が多く「吸気」が少ない》状態を作ります。
よって「腎機能」が低下すると「肺」にも作用して、
息を「吐く」よりも「吸う」方が辛い場合、「中医」では
「腎機能」の「納気の力の低下」を疑い、補う、治療を行
なうのです。「水分」の過剰摂取や、治療時の「点滴」の
過多は「呼吸困難」に陥りやすいのは、この為です。
また「納気」によって、最終的に「腎」で得られる「氣」
を「腎気」と言いますが、これは生まれ付いて持つ「先天
の精」と「脾胃」から化生された「後天の精」が「氣」に
変化したものを指します。「腎精」「腎気」は人体を構成
する「基本物質」であり、非常に重要とされ「腎精、腎気」
を貯蔵する「蔵精作用」は「生殖、成長、発育」に深く関
与しているのです。更に「精神と氣」の関係においても、
《「恐れ」は「腎」の「志」》とも言われ、過剰な「恐れ」
は「腎精、腎気」を損傷させ、また逆に「腎精、腎気」の
虚弱は「恐れ」を抱きやすくなるとも言われますから、
この観点からも「しっかりとした納気」は「精神的」にも
大きな効能を持たらしてくれるのです。
「いかがですか？」。「呼吸法」により生成される「氣」とは
「何と無く、落ち着く」とか「恐れがなくなるよ！」という
安易なものだけではではなく、「人」の持つ「五臓六腑」
と密接に「複雑なつながり」を持っているのです。
いかがでしょうか？
「氣塾」代表 木村丈彦
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