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《自己愛を滅して他利心を育てる》
「古式マスターヨーガ」での「トンレン行法」は他の流
派、宗派の持つ「慈悲の冥想」とは異なり、かなり実践
的であり「具体的な体感」を伴わせるものです。それは
まさに「氣」を使用した「循環の中の技術」であり、
「他とのコンタクト」の中で磨く「技術」でもあります。
今回からは「他派」における「慈悲の瞑想」を簡単に解
説いたします。
「トンレン」の言葉自体は「チベット語」で「トン」が
与えて「レン」が受け取る。「チベット密教」において
は「ロジョン=精神行」の中の「奥義」の一つとされて
います。「チベット密教」での用法はいくつかあります。
その中でも、代表的な「トンレン」の手法は「段階的な
変化」をかけていくものです。
まず手で「円」を組み、その中に思う人なり物なり「対
象」を入れます。最初は自分の「愛しいもの」そこから
始めて「愛しい」感情を心に出します。そこから「普通」
「嫌なもの」へ「対象」を変化させつつも最初の「愛し
いもの」への思いと同じものを持続させていきます。
要するに「普通」「嫌なもの」という、自分にとってこ
れまで「どうでもイイもの」、「どうなろうがイイもの」
に対しても「慈愛心」を持てれば、「全てのもの」に対
しても「慈愛心」を持てるというわけです。
本来「人」は「自分」が一番に「愛しい」のですから、
「自己」以外の「全て」が「愛しく」なれればそれまで
「自己」+「愛しいもの」対「普通」+「嫌いなもの」
から「自己」対「全て」になっていきますから、それに
合わせて「自己」の「割合」はどんどん「減って」いく
ことになり「他利心」が育つのです。
この原理により「菩提心」
《全ての「利」を他へ、全ての「苦」を我へ》を備えて
いきます。「自己愛」を滅して「他利心」を育てる。
この「行法」は自己内での「精神行」から始めていき、
最終的には「循環」による「現実の変化」を目標として
いますが、基本的に単独で行う「行法」であり「瞑想」
です。「自己内」での「精神浄化」を第一にしています
ので、「他」との「コンタクト」が「主眼」ではなく、
それによっての「行動」の実践による「現実化」を目指
す帰来が強いように思われます。
このように、同じ「トンレン」で「原理」は基本的に同
じでも、その「実践」には違いがあります。では同じ
「慈悲の冥想」でも「上座部仏教」におけるものは、
どのように「違う」のでしょう?次回に続きます。
いかがでしょうか?他利心を育てる事は、何も特別な事
ではなく、あらゆる「お仕事、ビジネス」にも当たり前
に必要な「センス」だと言えます。結果が出せない人は
これを未だ「身に付けていない」のが原因だと断言しま
すし、逆に結果を既に出している人とは、これを必ず身
に付けている筈ですから、検証してみれば良いのです。
更に、続けていきましょう!!
「氣塾」代表 木村丈彦
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